精神疾患や発達障がいを、どう受け止めるか?


先日(7月7日)、宮崎市で開催された市民公開講座に参加して感じたことを書いてみたいと思います。


講師は、夏苅郁子女史。

静岡県焼津市で夫と開業されておられる、児童精神科の医師です。


結論から言うと・・・

まったく事前知識を持たず行ったこともあり・・・

超衝撃的な内容でした!!。





優しそうなお顔と、柔らかな語り口からは全く想像も出来ない、壮絶な過去。


自分だったらどうしただろう??

耐えられたかな??(No!!)


本当に、本人や家族でなければ判りえない苦しさ。

「そうなんだ・・・大変だね・・・」と、安直に同調することすら、はばかられるような状況。



では、もし、そんな当事者の状況を知った場合、私達は見て見ぬふりをするのか?

何らかのご縁があって、当事者に寄り添うことが出来るのなら、是非、その機会(チャンス)を掴むべきだと・・・強く感じました。



①家庭環境


家庭環境って、当たり前ながら、とても大事です。

幼少期においては、子供の世界はほぼすべてそこにあるわけですからね。。。

子供にとって、家庭こそが安全基地。


ところが・・・そうもいかない子供達が、世の中には沢山存在しているのが現実です。


劣悪な家庭環境にあっても、子供はなかなか、他人に助けを求めません。

劣悪な環境であることに対して、思考的・論理的に疑問を持てないから。

愛を授かることへの希望を持ち続けているから。

だから、自分の居場所はここにしかないと思って、信じて疑わない。

逆に、自分こそが親の精神的支えになっていると思い込むしかないという、歪んだ愛情を持つに至ることもある。

もしくは無関心を決め込む。。。


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私がスクールサポーターとして関わった小学生(4年生)も、そんな一人でした。


様々な親の理由や都合(病気・貧困)があり、虐待こそされていないものの、ある意味ネグレクト(育児放棄)。

小学校4年の12月まで、学校に通わせてもらえたのは、数えるほどの日数だったそうです。

(本人が行きたがらなかったという理由もあるかもしれません)

(外界との接触をほとんど持たされない環境だったので、集団生活が理解不能なわけですから・・・)


食事は、ずっと偏ったものしか食べさせてもらっていないので、学校給食はほとんど食べることが出来ませんでした。


こんな、あまりにも重い実態に直面して、

私は、「学校にいる間は、私がその生徒の安全基地となる」という、自分に課せられた責任を果たすしかありませんでした。


学校に通うことが楽しみであるように・・・

勉強することが楽しく感じられるように・・・

お友達と喧嘩せずに遊べるように・・・


それでも、私と生徒に意思の疎通が上手く運ばない事が生じます。

私が勉強を急かしたり、何気ない私の発した言葉に傷ついたり・・・。

そんな時、生徒は、机に頭を打ち付けるなど、パニック状態や自傷行為に陥ります。


私では事態を収拾できないので、責任者である教諭に対応を委ね、話し合いをしてもらい、

生徒が落ち着いた頃に私の元に帰してもらいます。

生徒がまず謝るわけですが・・・当然、私からも謝ります。

「○○くんのこと、先生は大好きなんだよ。だからこそ・・・言い過ぎちゃったね><」

「やれば出来ると先生が勝手に思って、○○くんの気持ちを無視しちゃったね><」

「ごめんね。でもね・・・先生はずっと○○くんの味方だよ!」

「先生が○○くんの担当でいる間は、先生が○○くんを守るからね!」

と言って、ハグする。


「○○くんことが好きなんだよ(愛情持って接しているんだよ)!」と伝えることが、精一杯の私から発信出来る愛情表現でした。

○○くんの親以外にも、責任者の教諭と共に、安全基地を作ってあげることが私の使命だったのだと思います。


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そんな彼も、

思春期を迎えであろう時期からは次第に、

自分の家庭が「決して良好なわけではなく、上手く機能していないのでは?」という疑問に直面するのでしょう。


本人の精神的自立(個人としての生活観の芽生え)や、親へのジャッジが始まるわけです。



②発達障がいや精神疾患が生まれる背景のひとつ


「極端な家庭環境に育った子供は、発達障がいになりやすい。」

こう書くと猛烈に非難されるかもしれませんが・・・

確率が高いのは確かだと、私は感じます。


保護者が精神的に不安定だと、子供はそれにどう対応するべきかを[本能的に]模索します。


・親にとって都合のいい「良い子」を演じようとする

・一方、自分への愛情が不足していることへの怒りを爆発させるかもしれない

・親や兄弟による虐待や家庭内暴力がある場合、自分の身を守るために、別人格を生み出すことだってある


つまり、根本は愛着障害。。。


愛着障害とは、

「あの時の親の態度に対して、寂しかった・悲しかった・傷ついた」

「あの時、親にもっとじっくりと話を聞いて欲しかった」

「あの時の親の言葉に傷ついた」

・・・という、誰だって持っている感覚なので、本来、至って普通だと思います。

愛情を欲しかった・理解して欲しかったというだけの感覚なので、

「障害」という名称が付いているものの、誰だって、過去の感情において持っていて当たり前。


要は、程度・根深さの問題。


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また、親は、子供の心を理解せずに、知らぬ間にコントロールしていることだってあります。

親からの押し付けの愛情で、子供が息苦しく感じる過保護的環境もそう。

自分不在で物事が勝手に進んでいるような感じ。

親ですら自分を理解してくれていないという残念感。

(でも、それも親の愛だと解釈して、言われるがままに生きるしかない)


これは、何事もなかったように育って大人になったとしても、マイナス連鎖を引き起こす可能性が高くなります。


※子供の発達障がいの理由・原因のすべてが、親にあるわけではありませんので、そこは誤解なきようご理解下さい。



③精神疾患や発達障がいというレッテルより、本人が幸せかどうかが一番大切


精神疾患や発達障がいを抱えている本人や家族は、様々な苦悩を抱え、他者からの差別に苦しむこともあるでしょう。


ですが・・・

「人は幸せになるために生まれてきた」わけですから、

「疾患や障がいを抱えていて何が悪い?」なわけです。


自分が幸せなのかどうかは、他人が決めることではない。。。

人に超迷惑をかけたり、傷つけたり、犯罪を犯してはならないけれど・・・

地道に生きて、疾患や障がいに向き合って、自分自身が幸せだなと感じられるなら、それで構わないはず。


その為には、周囲も同じ意識を持つことが大切ではないかと。。。


当事者の状態を良くするのも悪くするのも、周囲次第。


今は、「ねばならない」「こうあらねばならない」という呪縛から開放される時代だと思うのです。

疾患や障がいと言われるものを抱えていても、一人ひとりが幸せを感じられるような世界であって欲しいものです。




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癒し系心理セラピスト:川口淳一【ホームページ】

■チャネリングセラピー協会:認定セラピスト&マスター講師 ■宮崎県宮崎市在住 ■1961年4月生まれ

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